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カルコレーシュ語
Calcoradetár
[kalkoradeta:r]
Calcoradetar
分類
Se分類 芸術言語
モユネ分類 ART/NAT/IMG/SON/LIT/SER
CLAコード cal-ca(CLA v1),
~_ca_~_lmb(CLA v3)
制作者 らんべ

カルコレーシュ語(嘉:Calcoradetár、英:Calcoradish)は、らんべ(Lambe)によって製作された人工言語である。架空世界に存在するカルコレーシュ共和国及び旧植民地諸国の公用語として設定されている。

特徴[]

  • 典型的な芸術言語・架空言語であり、自然言語の持つ不規則性や曖昧性を意図的に取り入れている。
  • 基本的にはアプリオリ人工言語であるが、特に文法に於いては西ヨーロッパの言語の影響が強い。
  • 基本語順はSVO、形容詞は後置修飾を原則とする。
  • 本来は屈折語であるが、現代では屈折性が衰退している。

文字と音韻[]

アンベディアン(Ambedian)[1]と呼ばれる表音文字(音素文字)で表記される。架空世界に於いて比較的最近に正書法改定が行われた(という設定)ため、綴り字と発音の解離は少ない。

アンベディアンに大文字と小文字の区別はないが、ラテン文字に転写して表記するときは英語の正書法に準じて文頭や固有名詞の頭文字1文字を大文字で書く。

母音の発音[]

9種類の単母音があり、長短を区別する。ただし/i/は常に短母音、/ɔ/は常に長母音で現れる。

短母音
前舌 中舌 後舌
非円唇 円唇
i [i] y [y] u [u]
半狭 e [e] o [o]
半広 æ [ε] ø [œ]
a [a]
長母音
前舌 中舌 後舌
非円唇 円唇
( í [i:] ) ý [y:] ú [u:]
半狭 é [e:] ó [o:]
半広 ǽ [ε:] ǿ [œ:] â [ɔ:]
á [a:]

以下の組み合わせは二重母音となる。

  • -i型:æi[εi]、ei[εi]、ai[εi]、øi[œi]、oi[ɔi]、ui[ui]、yi[ɥi]
æi、ei、aiは同じ発音を表す。現在の正書法では綴りのaiはほとんど使われない。日本語などの固有名詞に含まれるaiはそのまま[ai]と発音してもよい。
  • -e型:ae[aε]、oe[ɔε]、ue[uε]
  • -u型:eu[εu]、æu[εu]、øu[œu]、au[au]
[au]は固有語には現れない。

子音の発音[]

20種類の子音があり、摩擦音、破裂音は有声音と無声音を区別する。

両唇音 唇歯音 歯音 歯茎音 軟口蓋音 声門音
破裂音 p [p] / b [b] t [t] / d [d] c [k] / g [g]
破擦音 ţ [ts]
鼻音 m [m] n [n]
摩擦音 f [f] / v [v] þ [θ] / ð [ð] s [s] / z [z] ç [x] / ğ [ɣ] h [h]
震え音 r [r]
側面接近音 l [l]
  • 外来音としてはj[j]、w[w]、š[∫]、ž[ʒ]、č[t∫]などが現れることがある。

文法[]

品詞[]

カルコレーシュ語の品詞としては、名詞(生物名詞、非生物名詞)、代名詞(人称代名詞、不定代名詞、疑問代名詞など)、冠詞(限定冠詞と指示冠詞)、動詞(自動詞、他動詞、繋辞動詞、助動詞、疑問動詞)、形容詞(一般形容詞、限定形容詞、数量形容詞、疑問形容詞)、副詞(一般副詞、派生副詞、前置副詞、疑問副詞)、前置詞格詞接続詞(等位接続詞、文間接続詞)、両置詞間投詞がある。

基本構文[]

基本語順はSVOである。カルコレーシュ語の平叙文は以下のいずれかの構文を基本構造とする。必要に応じて必須要素以外に任意の修飾要素(副詞、前置詞句など)が補われる。

  • 他動詞構文
[主語+他動詞+目的語]を必須要素とする。主語の位置には主格形の名詞が、目的語の位置には対格、後置属格、与格のいずれかの名詞が入る(どの格を目的語に採るかは動詞によって決まっている)。
  • 自動詞構文
[主語+自動詞]を必須要素とする。ただし、主語が非生物の場合や非意志的な動作のときは倒置されて[自動詞+主語]という構文(非意志構文)になる。しかしながら動作自体よりも前置詞句などで表される場所や時間など情報に焦点を当てるときは倒置しない。
  • 繋辞構文
[主語+繋辞動詞+補語]を必須要素とする。補語の位置には主格形の名詞、または形容詞が入る。この構文を成す動詞としてはǿl「~である」(英語のbeに相当する)、nagǿl「~になる」がある。

特殊構文、派生構文[]

  • 授与構文
意味的には英語の第四文型に相当し、[主語+定動詞+目的語(属格または対格)+与格]で構成される。間接目的語に相当する情報が与格で表される。ただしカルコレーシュ語の文法上は他動詞は目的語の項をひとつしか採らないことになっており、間接目的語に相当する情報は修飾語(副詞句)扱いである。
この構文を成す動詞としてはfegǿl「~を~に与える」、pefǿl「~を~に支払う」、covuçǽl「~を~に見せる」などがある。
授与動詞が定動詞のとき、且つ、間接目的語に相当する情報が格変化のある代名詞の与格形のとき、この与格を定動詞の前に移動させて[主語+与格+定動詞+目的語(属格または対格)]という語順にすることができる。格変化のない一般名詞の与格[格詞aþ+名詞]は倒置しないのが普通である。
  • 無人称文(非人称文)
存在や自然現象を表す文であり、主語を欠如する(文法的には、主語が省略されたのではなく、ゼロが主語であると解釈する)。
目的語や修飾語を伴わない自動詞の場合、動詞1語だけでは文として認識しづらいので、形式主語としてoþを置く。このとき、非意志構文の規則を適用してoþは動詞の直後に置かれる。
  • 与格構文
[定動詞+目的語(属格または対格)+与格]で構成され、与格が意味上の主語となる。主格がないので無人称文の一種であるといえる。landǽl「感じる」、naçomǽl「~らしいと思う」、stregurǽl「捻挫する」など、意志によらない動詞が与格構文を採ることが多い。
  • 使役構文
[主語+定動詞+目的語(被使役者を表す)+前置詞(venðまたはhað)+不定詞句(使役内容)]で構成される。使役動詞としてはcorevǽl「~させる」、flenǽl「(放任して)~させておく」がある。使役動詞とは見做されないが、fozǽl「人(与格)に…(不定詞句)してほしい」、tortegǿl「人(属格)を脅して…(不定詞句)させる」なども使役構文を採る動詞である。不定詞句の直前の前置詞は、不定詞句の内容が実際に実行されたことを含意する場合はvenð、それ以外はhaðを用いる。

世界観[]

  • 現代ヨーロッパをモデルとしている。カルコレーシュ南東部はイタリア・ギリシャ・南フランスの雰囲気に近く、カルコレーシュ西部や北部はゲルマン風・スラブ風の雰囲気を持つ。
  • 国家としては、成熟した民主国家である。
  • あくまでも架空地図や交通網(鉄道と道路)がメインであるため、文化設定はあまり重視されておらず、数字はアラビア数字、単位は地球のSI単位系(メートル法など)、暦(こよみ)は西暦をそのまま用いる。
  • 歴史に関しては、実際のヨーロッパ列強の歴史をほぼ踏襲している。カルコレーシュはかつて複数の国を植民地支配していたが、現在はすべて解放され独立している。現在でもそれらの旧植民地でカルコレーシュ語が公用語として話されている。

注釈[]

  1. 旧称としてアーディアン、アンベラディアンがある。

外部リンク[]

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