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  • Yuhr
    • 『意識と意味と位相空間』より(1)
    • 『意識と意味と位相空間』より(2)
    • 『意識と意味と位相空間』より(3)

    位相空間においては、任意の2つの部分集合について「くっついている」とか「離れている」とか述べることができます。これは近傍という概念で定式化されます。そして(1)で述べたことを思い出して下さい——「言語空間とは無限次元の位相空間である」。言い換えれば、それぞれの単語は無限次元の位相空間における部分集合だということです。このことについて当書では、以下のような例とともに解説がなされています(20頁)。

    次の二つの文を比べてみて下さい。
         ① 少女は 花を 摘む。
         ② 少女は 海を 摘む。
    ②の文は文法的には間違っていませんが意味的にヘンです。ではなぜヘンだと私達は感じるのか? それは私たちの頭の中で『摘む』という言葉の近傍に『花』という言葉はあっても『海』という言葉が存在していないからです。また別の見方からすれば、『花』という言葉の近傍に『摘む』という言葉があっても『海』という言葉の近傍には『摘む』という言葉が存在していないからです。ここで一つ分かることは、『花』と『摘む』とでは“お互いがお互いの近傍”として存在するということです。
    自然言語処理に興味のある方ならば、word2vecについてはご存知でしょう。word2vecの扱う空間は内積、ひいては距離を必要とするので純粋な位相空間ではなくなっていますが、実質的には、ちょうどそれと似たようなことを人間もやっているということになります。

    さらに、以下のように述べられています(21〜22頁)。

    <『花』という言葉の近傍にある言葉>
     摘む・咲く・バラ・浜昼顔・昆虫・蜜・綺麗・赤・紫・花びら・茎etc…
    <『摘む』という言葉の近傍 ……





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  • Yuhr
    • 『意識と意味と位相空間』より(1)
    • 『意識と意味と位相空間』より(2)
    • 『意識と意味と位相空間』より(3)

    佐野愛『意識と意味と位相空間』(ブイツーソリューション 2014年4月10日)という書籍があります。そこでは、位相空間論の知見を援用して、「人間がどのように言語を営んでいるか」や、「真の普遍言語とは何か」、ひいては「人間の意識とは何か」などといった重要なテーマについて、わずか70頁足らずのうちに、示唆に富んだ概説が与えられています。この一連のブログ投稿では、当書を参照しながらも、言語というものについて独自の考察を進めていこうと思っています。そのような理由で、題名は「『…』について」でも「『…』に寄せて」でもなく「『…』より」としました。以降、特に断りなく当書と言った場合、それは『意識と意味と位相空間』を指しています。なお、投稿では位相空間論を扱う部分もあると思いますが、投稿者はあまり位相空間論に明るくありません。至らない点はぜひ指摘していただければと思います。

    当書のTOCは以下のとおりです。

    1. 序章
    2. 第1章 基礎知識
    3. 第2章 近傍と意味の正体
    4. 第3章 無限マジック
    5. 第4章 意味の結合と自我の正体
    6. 第5章 言語空間の位相化
    7. 第6章 仮説
    8. 第7章 番外編(トポロジカル思考)

    一連の投稿では、各章の流れに沿うというよりは、それぞれの論理段落に焦点を絞り、投稿者の述べたいことをとりとめもなく述べていくという形になります。したがって、以降の見出しは章題ではなく、投稿者による論点を意味します。文章内でも適宜引用や注釈を行いますが、ページ番号を併記しますので、当書が手元にある方は実際に参照してみると文脈が掴みやすいかと思います。

    ちなみに、一連の投稿では、投稿者がクレリカの作者であるということを前提とした ……

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