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文法-句法-パラメータシステムとは、ざすろん、おかゆ、よーざによって提案された、文法範疇の拡張システムである。本手法は、

  1. 必須性によらずに文の表しうる概念リストに言及するため
  2. 句レベルで生起する現象と文レベルで生起する現象を分けて言及するため

に考案された。テンスやアスペクトといった、意味領域と表現領域が錯綜した表現ではなく、時間マーカー、局面マーカー、反復性マーカー等の必須性によらない表現を用いて記述する。また、あるマーカーが動詞の屈折によるのか、名詞の曲用によるのか等によらず、どういう概念を示すかに従って分類されているので、表層に惑わされずに言語の体系を記述できる

典型的なマーカーリスト 編集

  • マーカー名…典型例
  • 事象分布マーカー…反復、習慣、経験
  • 事象局面マーカー…開始、進行、完結
  • 時間マーカー…過去、現在、未来
  • 数マーカー…単数、双数、複数
  • 性マーカー…男性、女性、中性
  • 人称マーカー…一人称、ニ人称、三人称
  • 焦点マーカー…焦点、非焦点(態を代替する)
  • 対人モダリティマーカー…共感、不信感、期待感
  • 義務モダリティマーカー…義務、禁止、許可
  • 認識様態モダリティマーカー…推量
  • 証拠性マーカー…伝聞
  • 極性マーカー…肯定、否定
  • 定性マーカー…定、不定
  • 意味役割マーカー…動作主、被動者、起点

マーカーシステムの概要 編集

本手法は、マーカーとパラメーターというふたつの概念を導入することによって、概念と表層の分離を試みる。また、句法と文法という二重構造を用いることで、語彙レベルから句レベルへのパラメータ収集規則と、パラメータ同士のやりとりによる一致現象を分けて記載する。

まず、句法について説明する。句はパラメーターを持ち、初期値は未定義である。マーカーは句が表しうる意味範疇のうちのひとつに対応しており、特定のパラメーターを持つ。また、マーカーはその標示が必須である必須マーカー、他のマーカーと同じパラメータを持つか下位のパラメータを持つ場合のみ許可される従属マーカー、それ以外の非必須マーカーに分類できる。句中にマーカーを置くことで、マーカーが持つパラメーターを句に代入することができる。ここで「句」とは、「必須マーカーを中心として構成された単語群」のことを指す。

例えば、英語においては時間マーカーは必須マーカーである。その[マーカー:パラメーター]リストを下記に示す。

  • [動詞の原型:現在]
  • [will+動詞の原形:未来]
  • [動詞の過去形:過去]
  • [had+動詞の現在完了形:大過去]

また、従属マーカーとしてtwo days ago や tommorow といった[時間を表す副詞(節)]を取ることが出来る。これらの要素は動詞句を形成する。

次に、文法について説明する。文法は、句法レベルで収集された「句のパラメータ」を、「文のパラメータ」にどのように反映させるかを表す。また、句同士のパラメータの授受についても規定する。

例えば、英語の時間についての上記の例を引き継ぐと、文法は次のように書ける。

  • {文の時間パラメータ←動詞句}
  • {従属節の時間パラメータ←文}

ふたつ目の規則で、従属節の時制の一致が扱われている。

このシステムにはいくつかのメリットがある。

標示が必須か否かに概念が左右されない 編集

前述の通り、文法範疇はその標示が必須か否かによって区別される。本手法では、全てのマーカーが必須というわけではないため、非必須要素についても同列に扱うことができる。「英語ではテンスで表される時間概念って、中国語ではどう表すの?文法範疇ではないことは知ってるんだけど、時間そのものは表せるでしょ?」という質問を「中国語の時間マーカーってどうなってるの?」と単純に尋ねることが出来るようになる。テンスやアスペクトと言った用語に含まれる強制性のニュアンスを除去して、時間や局面の概念そのものへの言及を容易にすることができる。

他の言語におけるマーカー形態に左右されない 編集

ある言語においてマーカーが副詞で標示されている場合に、自言語では屈折で標示されているとしても、マーカーの表示方法の如何とマーカーが表す概念とは分離しているため、そのことで扱いを変える必要はない。このことは、例えば時間概念をどの程度細分化して表現し得るかを考える際に、どの標示形態についての話なのか(活用なのか、接辞なのか、副詞なのか等)で混乱をきたすことがなく便利である。

マーカーが表す概念を無限に拡張可能である 編集

例えば対象がヘビ的であるか否かを区別する「ヘビ性マーカー」を用意することができる。任意の概念Xに対して、「概念Xのマーカー」を考えることが出来るため、拡張性に優れる。

文レベルの現象と句レベルの現象を分けて記載可能である 編集

一致現象は文レベルの現象であり、それぞれの句の規則として列挙すると猥雑である。本手法では、句レベルの規則と文レベルの規則は分離しているため、一部の規則について見直しを図っても、他の部分には影響を与えない。

実際の使用例 編集

  • イジェール語:格については従来の記法を、テンスとアスペクトについては本手法で記載している。

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